オバログ

日記から読んだ本や映画の感想、時事問題まで綴るブログです。弱者の戦い方、この社会がどうあるべきかも書いていきます。

ブラックバイトはクソだ!!というだけでは駄目だから実際に本を読むことにしました。

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 以前、『ブラックバイト』なるものがあって大学生が苦しんでるぜっていう事を記事に書きました。

ブラックバイトで苦しんでいる大学生のニュースを見て思ったこと。 - ニート気質な僕の生きる道

 

基本的に僕は人を使い捨てにしたり、必要以上の責任を押し付けたりして搾取する企業っていうのが大嫌いで、そんな企業は跡形もなくこの世から消えちまえと思うわけです。

 

ただ、「ブラック企業F〇CK!ブラックバイトF〇CK!」って言うだけなのもなんか違う気がするんですよね。なんも知らないのに意見だけ出すっていう事に対して違和感を感じてしまうわけです。

 

そこで、今回もニートちゃんの僕が有り余る時間を利用しまして『ブラックバイト』なるものの全体像をこちらに書き記し、皆さんがブラックバイトについて考えるきっかけをつくれればなんて思っております♪

 

参考書籍

第1章 ブラックバイトの被害実態

第1章では実際に大学生の相談や取材をもとにブラックバイトがどのようなことをしているのかを事例として紹介しています。アパレル、牛丼チェーン、大手100円ショップ、大手コンビニエンスストアというどこにでもある店で大学生たちがひどい目に合ってるケースが結構あるんですよ。

 

長時間労働、無理なシフト、自腹購入とかね。読んでるだけでも腹が立つんですが、そういうバイト先で苦しい思いをしている学生さんがいるんですよね、残念なことに。

 

ほんと目先の利益だけしか考えず、従業員を使いつぶすような店なんてなくなればいいと思うんですが、そういう企業とか少なからずあるのが実態のようです。

 

第2章 ブラックバイトのパターン

この章ではブラックバイトのパターンを分類・分析しています。

 

本書によると、このパターンは3段階にくくることが出来るとのこと。以下本書より引用していきます。

 

A段階『職場への過剰な組み込み』

①緊急の呼び出し

②長時間労働・深夜労働

③シフトの強要

④複数店舗・遠距離へのヘルプ

⑤「責任感」で辞めさせない

⑥ノルマ・罰金・商品の自腹購入

この段階でまず過重労働に駆り立てていきます。

 

B段階『最大限安く働かせる』

⑦最低賃金ぎりぎりで上がらない賃金

⑧未払い賃金・サービス残業

⑨仕事道具の自腹購入

⑩不十分な研修で即戦力化

過重な組み込みを行う一方で、非常に安い賃金で、時には法律違反まで繰り返すのが第二段階のポイント

 

C段階『人格的支配』

⑪パワハラや暴力による従属

⑫不当な内容の契約書による支配

雇用側は低コストで組み込まれた学生に辞められたくない。その対応と予防を目的として、職場の倫理に従属させるべく、ℂ段階「人格的支配」を行っていく。

 

 

このA段階→B段階→C段階に移行しながら学生をブラックバイトに縛り付け、こき使い、学業に影響が出るレベルまで働かせるというわけですね。雇う側がここまで考えて学生たちをしばりつけているかどうかはわかりませんが、これではなかなかやめられないんだろうなと思いますね。

 

ただ、ブラック企業の問題でもそうですが、ブラックバイトの問題でも

人によっては「そんなバイト先なんてすぐにやめればいいだろう。」と単純に思う方もいるかもしれません。僕も簡単に辞められるとまでは言いませんが、本書を読むまでは「いざという時には辞められるのでは??」という考えも持っていました。

 

ですがこうやって巧妙な手口を持って学生を引きずり込んでいるわけで、僕が大学生でもしブラックバイトの職場に入ってしまったらどうなるんだろうか??と考えちゃいますね。まぁ、僕の場合多分イラッとして『すぐ辞める』という選択肢をすぐ選ぶと思いますが(笑)

 

 

第3章 全国アルバイト学生調査

この章では学生が普段どれだけアルバイトに時間を費やしているのか、アルバイトの経験者はどれ位なのか?といった数字が具体的に記載されています。

 

今の学生さんは親御さんからの仕送りやサポートがなかなか受けれないという人も多く、必然的にバイトによって授業料なり生活費なりを稼がなければならないという状況が生まれているとのこと。

 

人によってはバイトの時間が長時間化してしまい、学業に影響が出ているというコメントがあったりして厳しい現状に置かれている学生さんもいるというのが現状のようですね。

 

また勝手にシフトを増減されたり、バイト先で不当な扱いを受けるなどブラック臭のする相談事例もちらほらとあるようです。

 

第4章 ブラックバイトを生み出す日本の貧困

この章からはブラックバイトを生み出す構造について書かれています。

 

ブラックバイトに問題を考えるためには、今までの日本社会の構造と今どのように変化をしているのかという事から考えていく必要があります。

 

本章では『家庭の貧困化』というところに焦点を当てています。

 

まず学費が急速に上昇し、以前と比べて家庭の負担が大幅に増したことそもそも親の年収が大幅に減少し負担の割合が増えたことに注目し、そこから奨学金制度の利用者が増えたというのがブラックバイトを助長する一つの原因になっています。

 

かってのように、親の収入のみで大学に通える学生が少なくなり、その分奨学金で賄う、もしくは奨学金自体はそこまで利用しないもののその分をアルバイトで長時間働き学費を賄うという状況ですね。

 

どちらにせよ、親の貧困化と学費の上昇により家庭の負担が目に見えて増してきたことがブラックバイトでも働かざるを得ない学生の数を増やしてしまっているようです。

 

第5章 ブラックバイトと教育の変化

この章では、『学校の変質』『学生の帰属意識の変化』について述べられています。

 

今の学生さんというのは大学よりもアルバイト先への帰属意識が高い傾向にあるようです。それもそのはず、大学というのは高校までとは違い大きな教室での講義を受ける形式の授業が多いですよね。

 

そうなると、基本的にあまり密な人間関係を築くことはありません。僕もぼっちで講義受けたりしてましたからね。サークルとか入らないと人間関係の希薄さが浮き彫りになります。

 

一方でアルバイト先っていうのは少なからず人間関係はありますよね??一緒に仕事するわけだし、距離感も近くなるでしょう。そうなると大学のようなうっすい人間関係の場所よりも『濃い人間関係』があるアルバイト先に帰属意識を持ちやすいというのはなるほど納得。

 

さらにここでブラックバイトが『やりがい』『仲間意識』というものを学生に与える事で、帰属意識をさらに高めその結果としてアルバイトをし続ける理由というのが生まれます。そのためブラックバイトを離れられなくなるという縛りのようなものが発生してしまうわけですね。いやぁ、ほんとに巧妙だわ。

 

あとは今の大学の教育が現状にマッチしていないというものも挙げられています。

 

バブル崩壊以後学生自体の人数も減り始め不況によって就職が困難になるという二重の苦しみを大学が襲うようになります。

 

これは大学にとって大きな影響がありますよね。人が減れば入学者が減るし、自分の大学の卒業生が就職できないと大学自体の評価や人気が下がってしまいますから。

 

その結果、学生が大学に集まらなくなり授業料による収入を柱としている大学は窮地に追い込まれることになります。ここから少しずつ、大学の教育内容も変化していきます。その辺の変化についても簡単に触れていきましょう。

 

キャリア教育

バブル以後不況により、企業の経営にも余裕がなくなってきていて企業内で社内教育を行う余裕がなくなる企業が増えてきてしまいました。その結果、企業がこれまで担っていた職業教育を大学側に求めるという声が現れてきたとのこと。

 

大学側からするとこれはまさに渡りに船だったようです。なぜなら入学者の減少によって経営が困難になってしまった大学側からするとぶっちゃけ具体的な施策がなかったわけです。

 

そこに企業側から「学生にキャリア教育してくれ!!」っていう要望があったらどうでしょうか??企業側の要望に応えられる学生を増やせば就職率もアップし、それによって大学の評判、評価、人気などはアップする。さらにそれによって入学者が増え授業料により収入が増えるといういい感じの流れになりそうじゃないですか。

 

なので、こぞって大学側は『キャリア教育』に飛びついたわけです。ただ、残念なことにパッと飛びついたがゆえに内容が伴わない『キャリア教育』になってしまったと本書では述べています。

 

元々大学の教育というのは職業的なものとの関連性は薄かったわけですが、そういった事を考慮せずに上辺だけ『キャリア教育』を取り入れたものですから中身が伴わないのは当然といえば当然。

 

結果として職業教育というよりも『職業適性』を判定する心理テストなどを中心として教育になってしまっているというわけですね。

 

僕の大学時代もキャリア教育みたいな授業はありましたが、確かに職業適性とかそういう感じの授業だった気がするな。っていうかほとんど内容を覚えてない(笑)多分自分の中でもそんなに重要視してないものだったんだろうと思います。

 

こういうキャリア教育が行われてきているわけですが、このキャリア教育は実際学生さんの役に立っていないと思われてしまっているようです。そもそも日本の就活は企業によっても合格基準が曖昧ですから学生側からすると「何に注力すればいいのかわからん!!」というのが現実です。

 

コミュニケーションスキルとかぶっちゃけどう判断するの?って感じですからね。何か明確な基準があるわけでもないし、面接する側からしてもその場でその人がどんな人間なのかなんて事を正確に判断できるわけもない。

 

そういう合格基準もよく分からない就活と、その就活に役に立っているかよく分からない『キャリア教育』この2つのギャップに『ブラックバイト』が入り込んできてしまうわけです。

 

学生側からするとね、キャリア教育とかって「この勉強結局なんの役に立つのさ!!」っていうのが正直なところなんですよ。一方アルバイトっていうのは先輩や同級生も「就活に役に立つらしい」って真実味を帯びた話として語られていますし、実際企業の面接とか履歴書にも『アルバイトの経験』を書く学生は多い。(実際バイト経験が就職にとって有利かどうかを検証した客観的なデータは存在しないそうです。)

 

その結果、やりがいとか社会人としての経験がつめると言われるブラックバイトに組み込まれてしまい、抜け出せなくなってしまうという構図が出来てしまうというわけです。

 

なるほど、学校教育自体もブラックバイトに学生を呼び込んでしまう一因となっていたわけか。こりゃほんとに社会構造をどうにかせんとどんどんブラックバイトの被害にあう学生が増えてきてしまう気がする(*_*;

 

若い人は宝以外の何物でもないですからね。そんな若者がいいように使われないためにも仕組みや構造から考えていく必要がありますね。

 

第6章 ブラックバイトと労働の変化

この章では第2章ブラックバイトのパターンで説明されていた部分を振り返りつつ労働の変化についても述べられています。ブラックバイトのパターンについては重複する部分があるのでここでは省略し、労働の変化を中心に書いていきたいと思います。

 

 非正規が非正規でいられない時代

従来であれば非正規雇用というのは『生活に配慮した労働』と呼ばれ、それ単体で自立するというよりは夫や親など『主たる収入』を補助するようなものでした。短時間の勤務で、単純労働を中心としていましたし、働く側の負担も少なかったわけです。

 

それが変化してきたのは2000年代になってからになります。トライアル雇用やブラックバイトというものが新たに登場するわけです。この辺りの非正規雇用の変化について本書では3つの契機から述べられるとしています。

 

㈠家計自立型非正規雇用

非正規雇用問題の第一の変化は、低賃金・不安定な非正規雇用家計を自立しなければならない労働者が急増したことだ。

この文章の最たる例がニ000年代の『フリーター』でしょう。

 

それまでは、20代の非正規雇用率は10%程度で、高校・大学の卒業と同時にほとんどの若者は正社員に就職していた。ところが二000年代以降、就職できずにアルバイトに終了する若者が急増することになった。それまでは「家計補助」だからよいとされてきた非正規雇用が、キャリアを形成し、自立をしていかなければならない若年層にまでっかう題してきたことが社会問題となった。

 

この辺は不景気のためいくら就活を頑張っても報われない『就職氷河期』というものが大きかったのでしょう。僕はその世代ではありませんが、当時ニュースなどで何度も耳にしましたし、学生さんがインタビューを受けている様子などもなんとなくですが記憶しています。

 

そこから契約社員や派遣社員などフルタイムで働くけども非正規雇用という人たちも増えてきてしまいます。

 

その非正規の立場に本来であればキャリアを積んでいかなければならない若い人たちが追いやられ、しかも基本的に非正規の場合には賃金の上昇は期待できません。待遇にしても正規の人と同じような仕事をしていても保証されておらず不安定な状態。

 

さらに非正規ですから正規雇用と比べて容易に解雇されてしまいます。リーマンショックとか派遣村、ネットカフェ難民などが記憶に新しいところですが、ああいった景気に大打撃が与えられるような出来事が起きると真っ先に首を切られるのが非正規雇用の方々です。

 

しかも、その中に多くの若者がいるわけで、解雇されてしまえば当然収入がなくそれがそのまま貧困問題へと直結してしまうわけです。

 

㈡基幹化と過酷化

第二の変化は「基幹化と過酷化」だ。非正規雇用における「限度のある仕事+低処遇」の構図が崩れつつある。

 

基幹化というのは職場で責任のある立場や役職にされてしまうという事ですね。本書の中でもパートの方が使用期間の賃金のまま管理者にされてしまったなどの相談事例が報告されています。あくまで非正規にもかかわらず重い責任を負わされてしまうような事例が結構あるようです。

 

さらに、シフトで決められた時間よりも長時間の労働を強いられたとか、サービス残業、休日出勤など明らかに非正規の枠を超えた労働を課せられるケースもあるとのこと。うーん、事態は深刻化していってるように感じますね。

 

㈢トライアル化

第三の変化は非正規雇用の「トライアル化」である。新卒を中心に、「最初はトライアル(お試し)の雇用」として雇う方式が広がっている。拙著『ブラック企業』(文春新書)で詳述したが、「正社員になれる」として新卒などを契約社員や派遣社員(紹介予定派遣)で採用する一方で、全員が正社員になれるわけではない。チャンスを与えているといえば聞こえがよいが、「チャンスをものにするためには、他の社員よりも長時間・サービス残業に従事してもらう」ことにもなりがちなのだ。

 

ハロワ行くとね、確かに『トライアル雇用』で求人募集している企業って結構あるんですよね。まぁ、こちらからしてもね入った企業がどんな企業かなんてわからないからお試しの意味も込めて『トライアル』でっていうのもまぁ一つの選択肢ではあると思うんです。

 

ただ、一方で本書でも述べられているように全員が正社員になれるわけではないって事は頭に入れておいた方がよさそうです。正社員というニンジンぶら下げられて馬車馬のように働かせられてダメだったら‥‥‥みたいなケースもあるかもしれませんからね。

トライアル雇用に対して過度な期待を持つのは辞めておいた方がよさそうです。

 

このトライアル雇用とブラックバイトの労働市場の役割と重要な点で一致している、と本書ではさらに続きます。

 

トライアルにしてもブラックバイトにしてもその先にあるのは『正社員として就職したい』という明白な理由からです。僕らは誰でも一度非正規になってしまうとなかなか正社員になるのは難しいという『日本の雇用の問題点』に気づいています。だから正社員なるために有利になることであるならばしょうがない。

 

ブラックバイトであろうとトライアルであろうとそこで得られる『社会経験』が正社員として雇われるために必要ならばとやむを得ないと判断してしまうわけです。若い人だってニュースやらなんやらで散々見ているわけですよ、やっぱり非正規は苦しいとなると正規雇用されたい。その為に何が必要なのか?どうやらバイトがいいらしいぞ。という風になるんでしょう。

 

第7章 ブラックバイトの弊害と定義

本章ではブラックバイトが引き起こす社会的な弊害を基準に定義する事で、ブラックバイト問題を、個人的な問題ではなく、より多くの人にとって重要な問題であることを基礎づける事を目的としています。

 

労働力再生産への弊害と産業の衰退

ブラックバイトの社会的弊害は、第一に、労働力の再生産を阻害してしまうことだ。

中略

ブラックバイトは、高等教育の段階で若者たちを過酷な労働にしばりつけることによって教育システムを破壊し、人材育成システムを破壊する。つまり、日本社会の人材が学校を卒業する前に使いつぶされていくことになる。ブラックバイトを利用する企業の短期的な利益のために、基礎学力の形成が阻害され、ひいては就職後の能力形成の可能性を宿滅してしまうのだ。

 これはまさにその通りですよね。ブラックバイトで長時間労働を強いられれば当然学業に支障は出てくるわけです。その結果として、基礎学力がないまま単に4年間アルバイトで酷使された学生が出来上がってしまう。これは日本にとって大きな損失でしょう。何も学ばないまま大学卒業を迎えてしまうわけですから。

 

僕が以前テレビで見たブラックバイトの例なんかもっとひどくて、番組内で相談していた大学生は暴言とかパワハラ的なことをされてしまって病気になってしまったんですよ。

 

そのせいでもし彼が働けなくなってしまったら社会としてどうでしょうか??貴重な若い働き手が一人ブラックバイトのせいでつぶれてしまうかもしれないわけです。それも一人や二人じゃないですからね。

 

結果としてそれは日本という国全体の首を絞めることになる。ただでさえ若い人は減っていくのに、何してんのって話じゃないですか。その辺のことを企業の経営者とかももっと重要視した方がいいんじゃない。若い人つぶしたら自分たちにしわ寄せが来るんだぜ。

 

消費者にとっての弊害

さらにブラックバイトは、消費者側にとっても被害を与えてしまう。

 

そりゃ、当然ですよね。分かりやすい例として紹介されているのが飲食店です。

ブラックバイトの場合、教育が不十分なまま職場に立たせてしまったりするので、きちんとした商品がお客さんに出されない可能性だってあるわけですよ。

 

単に品数が少ないとかならまだいいですよ。それが食中毒とかに繋がったらどうすんの??って話でしょ?マニュアルとかしっかり覚えてないわけですから衛生面とかだってずさんな可能性が無きにしも非ずなわけでね、そう考えると恐ろしいなと思うわけです。

 

ブラック国家

社会を解体するという新奇性を持つ点は、ブラックバイトも同様である。この問題も「労働力の再生産」という社会の持続性と抵触するからこそ、大きな社会問題になりつつある。学生のアルバイトもかつてから低賃金・不安定であった。もちろんそれらがよりひどくなったところにも問題の発端はあるのだが、これに加えた長時間労働化、労働の基幹化によって、授業や就職活動と抵触せざるを得ないところにまで問題が及んでいる。

これでは次の時代の産業の担い手を十全に育成することはできない。ブラック企業問題が若者を卒業後に「使い潰す」ことだとすれば、ブラックバイト問題は卒業前に使い潰してしまうことなのだ。

 

まぁ、その通りですよ。これはほんとに。ブラックバイトの問題は単に若者の問題じゃないですからね。若者が使い潰されれば回り回って使い潰している側にも弊害は出るし、最終的には『日本全体』が潰れてしまいます。いくら自分のとこのチェーン店が儲かろうが結果として日本全体を沈没させかねないわけです。

 

まさにこうやってブラックバイトとして若い人をつぶそうとしている人たちの事を『非国民』っていうんじゃないかな。どっかで歯止めかけないとほんとにヤバいですよ。若い人つぶして病気にさせて働けなくなったらどうするんでしょうか??自分たちが年老いた時に若い人みんな潰れてたら間違いなく国力大幅ダウンですよ。その辺のこと考えてほしいもんです。

 

なぜブラックバイトを学生に限定するのか

本書では三つの理由を述べています。

第一に、この言葉の「出自」そのものが学生を震源地にしているからだ。実際に学生たちがあまりに過剰に職場に「組み込まれ」ている事が、これまでとは異なった形で関心を呼び始めている。そこには社会の共感の要素があるとみてよい。

第二に、ブラックバイトを学生問題として焦点化する事で、教育や福祉の問題とも強く連動する。いわば、「社会的な包囲網」を関連分野で作りやすい。非正規雇用問題一般を議論するだけでは、「当事者意識」を持ちにくかった高校・大学の教職員達もこの問題を自分自身のテリトリーの問題だと自覚し、取り組むきっかけになるだろう。

第三に、学生のアルバイトは労働力の再生産問題をより強くクローズアップする。言うまでもなく、フリーターの場合にもキャリア形成は社会的な課題である。だが、学卒以前の時点からすでに「ブラック労働」に組み込まれていく状況は、フリーター問題以上に「使いつぶし」を社会に印象づけることが出来る。そして、これがまさに「ブラック国家」という持続不能性の社会問題に連なる部分だ。

 

 結構長くなっちゃいましたが筆者の言いたいことは分かっていただけると思います。まず『学生』がこんな苦しい状況に置かれているという事で社会全体として関心を引き寄せやすいこと。関心が高まれば当然解決策を考える人も増えるだろうし、学生自身も『ブラックバイト』に知らず知らずのうちに組み込まれてしまう確率というのも下がってくるのではないかと思います。

 

さらに学生の問題としてブラックバイトを定義する事でそれに関連した教育問題や貧困などの福祉問題についても考えなければならないという事がよく分かります。これは単に『学生にひどい働かせ方をする雇用主がいる』という単純な話ではありません。

 

何故学生が『ブラックバイトに組み込まれてしまうのか』『何故学生はブラックバイトをやめないのか?』など多方面から問題を浮き彫りにしていくことで、様々な部分が関連している事が分かるわけです。そして、学生の周りにいる大人たちにも当事者生き死を持ってもらいやすくなるというのが第二の理由。

 

最後の理由はもう何回も言ってますね。若者使い潰してたら労働力の再生産がされないですよ。それは若者自身が働けないということで若者の働き手が減少してしまうという事もまずあります。それに加えて若者が病気になったり低賃金の労働に従事せざるを得なければ結婚も出来ず少子化に拍車がかかります。

 

もちろんすべての人が結婚するわけではないにせよ、ある一定数の人は結婚したいと思っていてできれば子供も欲しいと思っているわけですよ。でもブラックバイトでつぶされちゃったらそれも出来ないでしょう。

 

ワーキングマザーとかその他の問題もそうなんですが、結局ある問題っていうのは必ず連鎖していくわけです。連鎖してどこかにひずみが出てくる。そうなると最終的にはどうなるでしょうか??

 

『国の持続が不可能』になるんですよ。

 

どっかの企業が潰れるとかじゃない。国自体が立ち行かなくなるんです。ブラックバイト問題というのはそういうとんでもない問題に連鎖しているという事を改めて認識するためにも『ブラックバイト』を学生の問題として定義する事が重要になるわけですね。

 

第8章 ブラックバイトと労働法

本章では、法律を使ってブラックバイト問題を解決する方法を紹介しています。この辺については細かくなるので省略します。ただ、第2章で紹介したブラックバイトのパターンにあるようなケースは『法律で解決できる』と思ってもらっていいでしょう。

 

ただ、学生本人が法律を武器に雇用側と争うというのはなかなか難しい所。そのため第9章ではブラックバイトに立ち向かうユニオン・支援者団体を紹介しています。もし自分がブラックバイトに該当すると感じた場合そちらに相談して見ましょう。

 

第9章 ブラックバイトに立ち向かうユニオン・支援者団体

本章では、各ユニオンの結成の経緯などが書かれていますが、ここでは省略。以下のユニオンが基本的には相談を受けてくれるユニオンや団体になりますので、困ったなと思ったらまずは相談してみてください!!

 

  • ブラックバイトユニオン
  • 札幌学生ユニオン
  • 首都圏学生ユニオン
  • 関西学生アルバイトユニオン
  • NPO法人POSSE
  • ブラック企業被害対策弁護団
  • ブラック企業対策プロジェクト
  • ブラックバイト対策弁護団あいち

 

まとめ

間違いなく、僕のブログの中で最も長い記事になりました。おそらくほとんどの方があまりの文字の量に脱落されたと思います。ここまでなんと10645文字。最後まで目を通していただいた方、どうもありがとうございます!お疲れさまでした(>_<)

 

僕自身は大学時代『ブラックバイト』の被害にあったことはありません。ただ、思い返せば友人がひどい目に合っていたようなケースも少なからずあったような記憶があります。

 

ただ、それ以上に今の若い人たちを取り巻く環境は過酷なように思います。それは単に学生だけの問題ではなく、社会問題としてもっといえば日本全体の問題として取り上げられるべき問題になってきているのでしょう。

 

僕自身の力は微力ですし、普段日本の将来の事を考えるなんて大それたことをしない人間ですが、やはり若い人たちが『使い潰されてしまう』という現状は許しがたいものがあります。

 

最初にテレビでこの『ブラックバイト問題』を見た時とても許しがたい問題であると実感しました。そして、「学生たちの周りで何が起きているんだろう」と疑問に思い本書を手に取りました。

 

僕が想像した以上に根が深い問題。今すぐには解決しない問題なのかもしれません。だからといって、何もしないのも違うなと思いこうしてブログで微力ながら拡散させていただいています。

 

もし、このブログを読んで『自分ももしかしたらブラックバイトに使い潰されているのかもしれない』と思ったなら躊躇なく記事でも紹介した相談機関や団体に相談してください。

 

僕のようなニートの人間が言うのもおこがましいですが、若い人は宝物であると常々思っています。それは少し考えれば誰にでもわかることです。若い人が国を担い、それがまた次の若者を作っていくのですから。

 

でも、どうやら一部の人はそれを忘れてしまっているようです。「自分の会社さえ利益が上がればいい。」「その為に使えるものは若い奴だろうが何だろうが使う」という論理がまかり通ってしまっているようにも感じます。その先には日本自体の危機が待ち受けているというのに。

 

もちろん、資本主義である以上企業と企業の間には競争が発生します。生き残るためにもある程度ドラスティックに行かなければならない場面も出てくるのかもしれません。

 

それでも今回紹介した『ブラックバイト』に関しては明らかな法律違反であり、それが許されるはずもありません。明らかにやりすぎ行き過ぎた重荷を若い人に背負わせてしまっているのです。

 

ぜひ、色々な方にこの『ブラックバイト』問題について知ってほしい。そして解決のために行動してほしい、そう切に願います。

 

それでは今回はこの辺で!

最後までご覧いただきありがとうございました!

次回もよろしくお願いいたします♪